「受動喫煙は悪」はでっちあげ?

2012年6月7日付 ニュースポストセブンに以下のような記事が掲載されました。 「受動喫煙=悪」の拡散は慰安婦問題の嘘と同じ構図との指摘 現代史家・秦郁彦氏による、「世界で初めて受動喫煙という概念を打ち出した」日本人・平山雄氏の1981 年の論文(平…

エコチル調査と放射能

エコチル調査とは エコチル調査をご存知でしょうか。環境省が行なっている、「子どもの健康と環境に関する全国疫学調査」で、10万組の子どもたちとその両親の参加による、大規模な疫学調査です。その研究デザインは以下のようなものです。 <調査の概要> エ…

結局日本のがんは増えているのか?

「日本ではがんがどんどん増えている。これは◯◯のせいである」 ◯◯の中には添加物、ワクチン、農薬、遺伝子組み換え食品、製薬会社の陰謀等、何を入れてもいいのですが、定番の脅し文句として使われています。では実際のところどうなのでしょうか? 日本にお…

発言小町に「子宮頸がんワクチンを受けるかどうか」というトピ

子宮頸がんワクチン、夫と意見が合いません-発言小町 中学生の娘がいます。 私は子宮頸がんの予防接種を受けさせたいのですが、夫が大反対してます。 ネットでいろいろ調べても何が本当なのか、ますますわからなくなってきてます。 皆さんは受けさせますか?…

英国ピルユーザーの健康に関する約40年間の調査報告

先月、「ピルを飲むと長生きできる」研究で判明した驚きの結果 という記事がネットに掲載されました。ピルと健康の関係については興味がある方も多いと思います。もちろんうさうさも1ピルユーザーとして気になるところですので、この記事の元となった論文を…

沼津港深海水族館に行ってきた

GWに沼津の深海水族館に行ってきました。 沼津港深海水族館は2011年12月開館の、深海をテーマとした水族館。目玉はシーラカンスの剥製と冷凍標本、駿河湾の深海生物となっており、深海生物好きならぜひ一度訪れたい場所です。 JR三島駅で下車し、車で30分程…

「働くお母さん」の半数近くが家事・育児をほぼ100%やっている

先日、労働政策研究・研修機構が発表した「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査」は、子育て中の親の状況(二人親・一人親、仕事、経済状態など)と子育ての関係についての調査で、いろいろと興味深いデータが掲載されています。ここ…

子宮頸がんワクチン副作用者数一覧?有害事象と副反応

twitterで出回っていたツイートにこんなのがありました。 (アカウントは消してあります) 子宮頸がんのワクチン打って、副作用の報告に「Cervical Cancer」子宮頸がんって@xxxxxxxx: このページ http://t.co/N0xa7vMA の右側の表に子宮頸がんワクチンの副作…

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の名称が引き起こす情報ラグ

先日、以下のようなつぶやきをしました。 昨日検索してみたんだけど「子宮頸がんワクチン」で出てくるのはデマとメーカー、行政の接種補助の情報。「HPVワクチン」では、上記の情報に加え専門家による解説も上位に。「子宮頸がんワクチン」というオフィシャ…

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)のよくある「疑惑」について

注意!この記事は「子宮頸がんワクチン接種を推進/否定」するものではありません。ネットで流布されている嘘を嘘だと指摘している記事の紹介です。すべてのワクチンには、副反応と限界があります。そして多くの場合、それを上回るメリットがあります。ワクチ…

海外科学雑誌が伝える「放射能より深刻な震災後の健康被害 」

Japan's post-Fukushima earthquake health woes go beyond radiation effects 2012年 3月7日 Katherine Harmon Natureの記事ですが、論文ではなく米国の科学雑誌「Scientific American」の記事を紹介したものです。 記事では、日本での福島原発事故の現状や…

生理用品&紙オムツのダイオキシンについて(2)日本のタンポンのダイオキシン濃度

前回、生理用品&紙オムツのダイオキシンについて(1)アメリカの報告でアメリカのタンポン、紙オムツと食事からのダイオキシン摂取量の比較についての論文(以下、「論文」とします)を紹介しました。その内容は、2種類の計算方法(「スクリーニング分析」…

生理用品&紙オムツのダイオキシンについて(1)アメリカの報告

布ナプキンを普及、販売している人たちの間では、「市販の生理用品にはダイオキシンが含まれていて危険」という説が流布しているようです。この件について、自分なりにいろいろ調べてみつけた資料を紹介します。生理用品の安全性について考える際の資料にし…

布ナプキンから広がるディープな世界。エコとダイオキシンと経皮毒

洗って繰り返し使える生理用布ナプキンが売れている。震災後、紙ナプキンが不足して使い始めた人や、「物を大切に使いたい」と思うようになった人の支持を広げているようだ。 生理用布ナプキンの販売好調-大手小町 1990年代からあったと思われる「布ナプキン…

「アンネの日」に込められた情熱。「生理」を解放せよ!

最近、「生理用品」について調べています。 その中で、日本の生理用ナプキンの先駆者であった「アンネ社」とその創始者坂井泰子についての興味深い論文を見つけたのでご紹介したいと思います。 アンネ社の生理革命 : 「不浄」から「当たり前」へ 田中 ひかる…

日本国内の子宮頸がんにおけるHPV16/18型の割合

今日twitter でお話した方の疑問で、「国内ではHPV16/18型の割合が少ないから、16/18型対象としたワクチンは意味がないんじゃない?」というのがありました。ワクチンを接種してみて、集団として実際その病気が減るかどうか、これはやってみないとわからない…

「HPVワクチンガーダシルに組換えHPV(ヒトパピローマウイルス)が混入している」という噂

前回に引き続き、HPVワクチンまわりのデマです。 最近、国内で出回り始めているのが、「ガーダシルに『組換えHPVウイルス』が混入している」という話。国内での噂の出所はTHINKERというサイトのメルマガのようで、あちこちのブログに、こちらの動画と共に転…

2012年もよろしくお願いします。

あけましておめでとうございます。本当に拙い文章が多いですがtwitterなどで感想をいただき嬉しく思っています。 本年も、よろしくお願いします!2012年が皆様にとってよい年になりますように…

古くて新しい「ワクチン不妊デマ」と、新生児破傷風

サーバリックス@wikiのこちらにもあるように、「HPVワクチンは不妊化を目的としたものだ!」という噂をよく耳にします。もちろん、この話はまったくのデタラメ、事実無根(詳しい検証は上記のリンク先をごらんください)なのですが、一部では根強く信じられ…

派遣26業務、いちばん時給が高いのは?

社団法人日本人材派遣協会が、毎年約1万人の派遣スタッフを対象に行なったアンケートの集計結果をウェブサイトに掲載しています。内容は、性別や年令などの基礎データから、時給や、派遣で働く理由、派遣法についてなど多岐にわたり、派遣労働者の実態がうか…

ブータンの医療と日本の医療から-「貧しくても幸せ」ということ

ブータンについては、「貧しいけれども、つつましい暮らしに国民皆が満足して幸福に暮らしている国」というイメージがあるようで、「お金はあるけれどもあまり幸せではない」日本人のなかには、このような暮らしをうらやむ、または未来の日本の行く末を考え…

「美しい毒」のフォトコンテスト

前回のエントリの調査中にめちゃくちゃ気になるフォトコンテストを見つけてしまいました。 日本中毒学会主催の「臨床中毒フォトコンテスト」。 [臨床中毒学に関係の深い「動植物」および「症候」]がテーマ。リンク先の過去の受賞作を見ると、植物、魚の写真…

からだにやさしくない自然の情報メモ

本当の意味での「自然農法」は存在しない アグリサイエンティストが行く こちらの記事を読んで思い出したのが、以前なにかで読んだ、「農業の歴史は、人が命がけで、食べられる植物を探し、長い年月を掛けて改良を重ねてきた歴史である」というような文章です…

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく

11/5 追記 本記事は、HPVワクチンの有効性、安全性そのものについて論じたものではありません。あくまで、「HPVワクチンの大インチキ」などという触れ込みで流布されている反ワクチン論について個別に検証したものです。HPVワクチンの有効性、安全性について…

ついにばらされた「女子のホンネ」から考えたこと

【速報】 ついに女子のホンネがばらされる!! ここで言われている「女子のホンネ」、多くの人が「あるあるww」という反応をしていますし、私自身も今まで何度となく見かけたことがある内容。いわゆる「あるあるネタ」ですよね。でも、その「あるある」っ…

国内シェア98%の製造工場が被災したとき、甲状腺ホルモン薬を死守した人々の記録

先日、日本小児内分泌学会が、「長野県において福島県から避難している子どもの甲状腺検査に変化がみられたとする報道に関しての学会声明」を発表したというニュースがありました。 同学会は、震災直後から、福島原発事故に関連した、誤ったヨウ素含有製剤・…

まんなかをずらしてしまうデマへの抵抗

今日は、私がなぜこのようなブログを書いているのか、個人的な考えをまとめておきたいと思います。 このブログのテーマは、というか多く扱っているのは、いちおう「科学がらみのデマの検証」ということになります。 これまでもずっとこのようなデマはありま…

地道にツッコミをいれるしかない

二つに割れてしまったイチョウの葉−院長の独り言 この記事を読んだが、呆れるしかない。 植物の専門家からツッコミが入るのも当然である。自然界によく見られる現象(日影の植物が徒長するとか、病気に感染するとか、果ては園芸品種まで)を取り上げて、「放射…

ワクチン「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証(3)HPV検査は子宮頸がんを調べていない?

検証の内容を、専門用語少なめでわかりやすくまとめたバージョンを作りました。 難しいのがイヤな方、概要を知りたい方はこちらをどうぞ。 「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく シリーズ3回目。下記もあわせてどうぞ。 「HPVワ…

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証(2)HPVと子宮頸癌に直接の因果関係がないことをFDAは承知していた?

検証の内容を、専門用語少なめでわかりやすくまとめたバージョンを作りました。 難しいのがイヤな方、概要を知りたい方はこちらをどうぞ。 「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく 「HPVワクチンの嘘」の検証2回目である。 前回に引…