沼津港深海水族館に行ってきた
GWに沼津の深海水族館に行ってきました。
沼津港深海水族館は2011年12月開館の、深海をテーマとした水族館。目玉はシーラカンスの剥製と冷凍標本、駿河湾の深海生物となっており、深海生物好きならぜひ一度訪れたい場所です。
JR三島駅で下車し、車で30分程度で沼津港に到着です。沼津港は海産物店や飲食店などが立ち並ぶ観光スポットとなっていて大変活気があり、観光客向けの立体駐車場も十分ありました。目の前には駿河湾、立ち上る磯の香り。行き交う人々とフォークリフト(ちょっと危険)。ひものや一夜干しがたくさん売られています。新鮮な魚介類をその場でバーベキューにできるお店もあります。その匂いに惹かれながらも、深海水族館を目指しました。沼津港の中でも小奇麗な、新しく建ったお店ばかりの一角に水族館はあります。
昨年12月からの約5ヶ月間で、既に10万人が訪れているようです。
水族館に入ると、早速ダイオウグソクムシがお出迎え!テンションが上がります。
一階は、駿河湾の生き物、浅い海と深い海に住む動物の比較、ヘンテコ生き物コーナーなど。
ヘンテコ生き物コーナーは、でかすぎるハネジナマコ、とげとげバイカナマコなどがいました。
↑ハネジナマコは沖縄では食用だそうで。
↑テヅルモヅル。うねうね動いてまるで異星生物。いつまでも見ていたい気持ちになります。
深海生物は他にヌタウナギ(卵も)、ヒメカンテンナマコ、ベニテグリ、ウミグモ、撮影禁止の光に弱すぎるメンダコもいました。それから、ヒカリキンメダイ(発光バクテリアによる共生発光)。ヒカリキンメダイは真っ暗な部屋に展示されていて、明滅する様子がとても神秘的でした。
二階はシーラカンス展示です。計5体のシーラカンスが展示されていて、3体は剥製、2体は冷凍標本です。コモロでのシーラカンス調査地を再現した「ベースキャンプ」のコーナーもあり、コモロにいる巨大ゴキブリ、サソリ、クモ、アフリカツメガエルも展示されています。もちろん生きてます。サソリがコウロギを捕食する様子も見られます。うさうさが行ったときには特別展示のカメレオンがいました。
↑高校生物でおなじみのアフリカツメガエルです。かわいい!
そしていよいよ冷凍シーラカンスとご対面。
↑この水族館のメインはやっぱりこの冷凍標本でしょう。5000万円の特注冷凍庫内で-20℃に保存されてます。剥製と違って内蔵もそのまま。舌らしきものが確認できますね。
冷凍シーラカンスの周りには、シーラカンス発見までの経緯がわかる展示もあります。
↑Nature vol. 143 (1939) 5月6日号に掲載されたシーラカンス発見の論文。昭和14年、戦時中ですね。冒頭部分には、漁師の網にかかってしばらく生きていたけど死んだと書いてありました。全文が展示されていて読むことができます(英語ですが)。
↑上の論文を書いたスミス博士に送られた、シーラカンスが水揚げされた地元の博物館員の女性が書いた問い合わせの手紙です。なんとも味のある絵です。
シーラカンスフロアには単孔類ハリモグラのつがい(生きてます)もいました。つがいのハリモグラが見られるのは日本でここだけだとか。シーラカンスとどう関係あるのか、ぜひご自分の目で確かめてみてください(というほどのことでもないですが)。
この水族館は、じっくり見ても1時間程度で回れるコンパクトなものですが、珍しい生物がたくさん展示されていて、見せ方も凝ってます。めずらし物好き、深海好きなら必ず満足できるものと思います。なにより、深海生物、海の生き物、そして地元への愛が感じられる素晴らしい水族館だと思いました。現在、漁師さんと協力し桜えびの長期飼育にチャレンジされているそうです。いつの日か、透明な桜えびの姿が見られるのを楽しみにしています。
<おまけ>
水族館の隣にある丼物の店で深海魚丼(2〜3人前、2500円)が食べられます。水族館のレシートを見せると10%オフに。何種類かの深海魚(魚の名前は失念…)とホタルイカ、穴子が載ってます。深海魚は、意外と脂がのってますね。といっても、最近では普通に深海魚が食用魚として出回ってるらしいですけどね*1。他、生しらすなども食べられます。