ついにばらされた「女子のホンネ」から考えたこと

【速報】 ついに女子のホンネがばらされる!! 

ここで言われている「女子のホンネ」、多くの人が「あるあるww」という反応をしていますし、私自身も今まで何度となく見かけたことがある内容。いわゆる「あるあるネタ」ですよね。

でも、その「あるある」って、本当にあなたの実体験ですか?そして、「知り合いの女性みんな」に共通してますか?逆に、男声の知り合いにも想定範囲を広げてみると…あれ、これってあの人にも当てはまる、なんてのもあるんじゃないですか?

女性にもいろいろな人がいますから、いろんな特徴を挙げていったらどれかが誰かに当たりますよ。それをもって、「これが女だ!」なんてのは、無理があるんじゃないですかね。

はてブや、こちらのブログ「実は◯◯ってこんな感じ」はオカルトである」-GAWでも、このへんのところは「主語がでかい」と批判されてますね。完全に同意です。


そんで、私がさらにやだなーと思うのは、この「ホンネ」が、つぶやいてる人、まとめてる人の「姉妹」の発言である、ということです。

この姉妹の女友達は、みーんな、ここに描かれているような、「いわゆる女」的女、だったのでしょうかね?違うと思います。姉妹は友達の嫌な面を、「女のイヤな面」として捉えているんじゃないでしょうか。

本来なら、「あの子は、こうだ」といえばいいようなことは、「女はこうだ」って言ってる。

つまり、この姉妹は、世間で「あるある」と思われている、「女はこんなにずるく、小賢しく、愚かだ」的な言説を、(中学生にして)内面化しちゃってるんじゃないでしょうか。

そして、それは、こういう「女は◯◯だ」言説を、子供の頃から無意識にせよ聞かされていきた結果なんじゃないかと。「女は怖い!」「コワ〜い女たち特集」、テレビでもよく聞きますよね。


このまとめへの反応(コメント・はてブ)でも、「これに当てはまらない私は女じゃない」なんてのがあるじゃないですか。でも、その人は間違いなく女なわけです。でも世間で「あるある」な「女」のステロタイプがあって、それに当てはまってないから、「女じゃない」と言ってる。

あるあるネタ」が(実は先に結論として)あって、みんなはそれを見て「あるある!!」なんて言ってて、「あれー、ないな」と思う人が(実はそれなりにたくさん)いても、それは「例外」としてスルー…。ああもう、なんて無敵。


それにしても、ここに出てくる「女子」像、とても好感が持てるものじゃないですよね。「女=こういうの」というという価値観を、若いうちに内面化したら、自己肯定感を養うのにかなりな困難を伴っちゃいますね。どうすればいいんでしょうか。

一つの方法は、「私は、女だけど、『普通の』女じゃない」という自己認識を持つことでしょう。理系教科が得意とか、運動が得意とか、「普通の女子と違う」と思えそうな明らかな面がある女子は、こっちへ行きやすい、かも知れません。

もう一つは、「私はよくも悪くも女だ」と認識しつつ、「でも女子はこんなに楽しい!」と、自分に言い聞かせる道かも知れません。「オンナノコは、特別な存在!」みたいな世界です。ある人々から見たら奇異に思えるかも知れない、「女の子」の過剰なまでの自己肯定的演出は、この『マイナスからのスタート」をゼロに戻そうとする力、なのかも知れません。


でも、本当はこんなこと、必要ないはずなんですよ。「女は(女なんて)、こんな生き物だ!」なんて、抑圧がなくなれば、そしてその抑圧を自分の内面に取り込むほどに聞かされ続けなければ。もちろん、同じ事は男性にも行われるべきではないです*1

ということで、私もnakamurabshiさんに賛成。
こういう言説は早く無力化してくれるといいなって思います。

*1:実はこのまとめ、男性のステロタイプも含まれてますね