2011-01-01から1年間の記事一覧

古くて新しい「ワクチン不妊デマ」と、新生児破傷風

サーバリックス@wikiのこちらにもあるように、「HPVワクチンは不妊化を目的としたものだ!」という噂をよく耳にします。もちろん、この話はまったくのデタラメ、事実無根(詳しい検証は上記のリンク先をごらんください)なのですが、一部では根強く信じられ…

派遣26業務、いちばん時給が高いのは?

社団法人日本人材派遣協会が、毎年約1万人の派遣スタッフを対象に行なったアンケートの集計結果をウェブサイトに掲載しています。内容は、性別や年令などの基礎データから、時給や、派遣で働く理由、派遣法についてなど多岐にわたり、派遣労働者の実態がうか…

ブータンの医療と日本の医療から-「貧しくても幸せ」ということ

ブータンについては、「貧しいけれども、つつましい暮らしに国民皆が満足して幸福に暮らしている国」というイメージがあるようで、「お金はあるけれどもあまり幸せではない」日本人のなかには、このような暮らしをうらやむ、または未来の日本の行く末を考え…

「美しい毒」のフォトコンテスト

前回のエントリの調査中にめちゃくちゃ気になるフォトコンテストを見つけてしまいました。 日本中毒学会主催の「臨床中毒フォトコンテスト」。 [臨床中毒学に関係の深い「動植物」および「症候」]がテーマ。リンク先の過去の受賞作を見ると、植物、魚の写真…

からだにやさしくない自然の情報メモ

本当の意味での「自然農法」は存在しない アグリサイエンティストが行く こちらの記事を読んで思い出したのが、以前なにかで読んだ、「農業の歴史は、人が命がけで、食べられる植物を探し、長い年月を掛けて改良を重ねてきた歴史である」というような文章です…

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく

11/5 追記 本記事は、HPVワクチンの有効性、安全性そのものについて論じたものではありません。あくまで、「HPVワクチンの大インチキ」などという触れ込みで流布されている反ワクチン論について個別に検証したものです。HPVワクチンの有効性、安全性について…

ついにばらされた「女子のホンネ」から考えたこと

【速報】 ついに女子のホンネがばらされる!! ここで言われている「女子のホンネ」、多くの人が「あるあるww」という反応をしていますし、私自身も今まで何度となく見かけたことがある内容。いわゆる「あるあるネタ」ですよね。でも、その「あるある」っ…

国内シェア98%の製造工場が被災したとき、甲状腺ホルモン薬を死守した人々の記録

先日、日本小児内分泌学会が、「長野県において福島県から避難している子どもの甲状腺検査に変化がみられたとする報道に関しての学会声明」を発表したというニュースがありました。 同学会は、震災直後から、福島原発事故に関連した、誤ったヨウ素含有製剤・…

まんなかをずらしてしまうデマへの抵抗

今日は、私がなぜこのようなブログを書いているのか、個人的な考えをまとめておきたいと思います。 このブログのテーマは、というか多く扱っているのは、いちおう「科学がらみのデマの検証」ということになります。 これまでもずっとこのようなデマはありま…

地道にツッコミをいれるしかない

二つに割れてしまったイチョウの葉−院長の独り言 この記事を読んだが、呆れるしかない。 植物の専門家からツッコミが入るのも当然である。自然界によく見られる現象(日影の植物が徒長するとか、病気に感染するとか、果ては園芸品種まで)を取り上げて、「放射…

ワクチン「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証(3)HPV検査は子宮頸がんを調べていない?

検証の内容を、専門用語少なめでわかりやすくまとめたバージョンを作りました。 難しいのがイヤな方、概要を知りたい方はこちらをどうぞ。 「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく シリーズ3回目。下記もあわせてどうぞ。 「HPVワ…

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証(2)HPVと子宮頸癌に直接の因果関係がないことをFDAは承知していた?

検証の内容を、専門用語少なめでわかりやすくまとめたバージョンを作りました。 難しいのがイヤな方、概要を知りたい方はこちらをどうぞ。 「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく 「HPVワクチンの嘘」の検証2回目である。 前回に引…

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証(1)HPVワクチンは前がん病変のリスクを44.6%増やすのか?

検証の内容を、専門用語少なめでわかりやすくまとめたバージョンを作りました。 難しいのがイヤな方、概要を知りたい方はこちらをどうぞ。 「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の嘘」の検証をわかりやすく 日本では、サーバリックスに加えガーダシルが承認…

ひまわりレメディエーションについての覚書

農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)について 農林水産省プレスリリース 上記のプレスリリースを受けて、ひまわりを用いた放射性Cs除去についての話題がまた持ち上がっている。 その中に、「これってそもそもどう広まったの?」という発言をいくつか見…

「卓上小型遠心機」の世界

バイオ実験の必需品に「卓上小型遠心機」がある。 遠心機といえば、「動物のお医者さん」で 「遠心機が壊れたが、お金がないので買い換えられない」 「袋に入れて振り回しなさい」 と描かれたアレだ。 つまり、高速回転させることで、物質を分離させる機械な…

感情のことばと理性のことば

「チェルノブイリへのかけはし」批判者は、汗をかいてから批判して欲しい等の主張「理系」のレポート*1、報告書の類には掟がある。 事実(結果)と、自分の意見(考察)は明確に区別する。 事実(結果)にはなるべく主観が入らぬよう、客観的な記述を心がけ…

それは奇形じゃなく病気です

奇形動植物のまとめ ー院長の独り言福島原発事故由来の放射能のせいではないか、と続々と「奇形」が報告されている。中にはいくつか、素人目にもそれは違うだろ、というのがあったのでメモとして。 (イチョウの切れ込みや徒長したたんぽぽ、これは子供のこ…

清潔と不潔のあいだ

人が「うわ…不潔」と感じ、ぞっとする、というのは、感染症から身を守るために必要な本能かもしれない。 しかし、何に「不潔」と感じ、何はOKなのかは文化や人によってずいぶん開きがある。 最近では、米のとぎ汁を発酵させた(腐敗させた)ものを、「放射能…

夫が幸せを感じるのは「激務夫と専業主婦」家庭?

あぁ 結婚してよかったなぁと思った瞬間はてなでホッテントリ入りしていた上記記事を読んで疑問に思ったのは、 「夫が激務の専業主婦家庭で、控えめな妻が一生懸命夫と子供を支える」 という古典的日本の家庭像ばかりであること。こちらの記事(雇用不況で共…

家庭における節電目標を確認する<関西>

7月1日から、本格的な「節電の夏」がスタートしました。 ニュースでは連日節電について扱っています。 また、関西電力も「節電のお願い」としてCMを放映しています。けれど、ここで伝えられている情報について、「節電の方法」に偏っているのではないか?と…

社会科学の10の未解決問題(Natureダイジェスト)

Social science lines up its biggest challenges : Nature NewsNatureダイジェスト2011年6月号、p20 リストの英文 人々に自分の健康に注意するようにさせるには、どうすればよいか? 社会はどのようにして支配力と回復力を備えた組織(例えば政府)をつくり…