子宮頸がんワクチン副作用者数一覧?有害事象と副反応

twitterで出回っていたツイートにこんなのがありました。
(アカウントは消してあります)

子宮頸がんのワクチン打って、副作用の報告に「Cervical Cancer」子宮頸がんって@xxxxxxxx: このページ http://t.co/N0xa7vMA の右側の表に子宮頸がんワクチンの副作用者数一覧がありますHPV VACCINE VAERS REPORT

さてこれは、アメリカの反ワクチン団体 Sane Vax Inc.のトップページ右下の「HPV VACCINE VAERS REPORTS AS OF MARCH」のことのようです。こちらを見ると、
米国の Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS, ワクチン有害事象報告システム)のデータを元に作られたデータベース(ただし作ったのはNational Vaccine Information Centerという民間組織です。名称が紛らわしいですが政府とは無関係です)を検索して得た、2006年からの累積数のようです。
VAERSの元データはこちら、そして同様の検索がCDCのデータベースでできます。2つのデータベースで同じ検索をすると結果が異なることが気になるのですが、含まれるデータは同じものであると主張しています。集計方法の違いでしょうか…?


さて、このデータの出所である米国ワクチン有害事象報告システム(VAERS)は、FDAとCDCの出資による機関で、医療従事者、製造業者、被接種者などからの報告により有害事象を収集するシステムです。重要なことは、ここに報告された有害事象とは、「ワクチン接種後に起こった不都合な出来事」であり、接種との因果関係のない、偶然起こったものも含まれているということです。「有害事象」と「副作用」の違いについてはこちらを参考にして下さい。VAERSデータのページには、まず以下のようなことが書かれています。

VAERS症例報告情報を解釈するために

VAERSのデータを評価する際に重要なことは、報告された事象はどれも因果関係が証明されたものではないことに留意することです。ワクチンが有害事象に関与している可能性のある、あらゆる報告(副反応の可能性)がVAERSに提出されます。VAERSはワクチン接種後のあらゆる有害事象に関するデータを収集しており、その事象が偶然ワクチン接種と同時期に起きたのか、真にワクチンによるものかは問いません。VAERSに寄せられた有害事象の報告は、ワクチンがその有害事象の原因であることの証拠書類ではありません。

つまり、Sane Vax Inc.のトップページの表は「副作用者数」ではなく有害事象の数であり、それにはワクチンに無関係なものもたくさん含まれているのです。