「卓上小型遠心機」の世界
バイオ実験の必需品に「卓上小型遠心機」がある。
遠心機といえば、「動物のお医者さん」で
「遠心機が壊れたが、お金がないので買い換えられない」
「袋に入れて振り回しなさい」
と描かれたアレだ。
つまり、高速回転させることで、物質を分離させる機械なのだが、卓上用はちょちょっと回転させて、容器のフタや壁面に付いている液体を底に落とす(フラッシュとかスピンダウンという)のに手軽に使えるものだ。
国内の各社からも、いろいろな製品が出ているのだが、このネーミングがなぜかかわいいものが多いのだ。
<ミリポア> チビタン
たぶんだけど、卓上小型遠心機の草分け的存在な気がするチビタン。
ここから、かわいい名前の歴史が始まった…と思う。
<フナコシ> 回転くん
昔はもっとゴツかった回転くん。
今は、「回転くんJr」のほか 、「どこでも回転くんDuo」「どこでも回転くん オクト」などのファミリーが揃っております。
それにしても、回転するから回転くん。そのままなネーミング。
<和研薬> プチまる8
petitで、丸くて、8本掛けだということがよくわかる名前だ。
姉妹品プチはち、プチチェンジもあります。
<和光純薬> くるくるシリーズ
「くるくる8」「くるくるチェンジ」「くるはち」と、なかなかファンキーなラインナップ。
「くるくるチェンジ」なんて、今にもヒーローに変身しそうである。
(こうしてみると、くるくるシリーズとぷちシリーズは見た目的にもほぼ同じようなラインナップだ。)
なんというか、お固い会社が一生懸命考えたユーモアいっぱいのネーミングセンスが、どうにもおもしろいのである。
なお、遠心分離機界の雄・トミー精工も卓上小型遠心機を出していたが、実にそっけないネーミングだった。そして、さすがに日立はこんな小物は出していないようだ。