予期せぬ妊娠、妊娠を望んでいないのにできちゃった、中高生の妊娠…相談できる場所を調べてみた

こちらのまとめで、中学生や高校生の妊娠など、主に若年での予期せぬ妊娠についての話をあつめてみました。頂いた反響や派生した議論について見てみまして、この問題は色々と根が深く、「こうすれば解決」という簡単な解答はなさそうなことがわかりました。個人的には、予期せぬ妊娠をしてしまった人むけのまとまった情報や相談先のリストがネット検索でパッと出てこないことに驚きました。若年で妊娠する人に対してネット上の情報がどこまで有用なのかは未知数ではありますが、私が調べた限りの情報をここにまとめておきます(中高生向けの情報に限らず、予期せぬ妊娠に困惑している人向けの情報をまとめました)。

まずはここ

厚生労働省が進めている、保健師等による婦人科的疾患及び更年期障害、出産についての悩み、不妊等、女性の健康に関する一般的事項に関する相談指導を行う「女性健康支援センター」の概要として、各都道府県の相談窓口がまとめられています。明記されていないのですが、「予期せぬ妊娠」もここで扱っているものと思われます。とりあえず、こちらの窓口で相談すれば、適切な相談先を教えてもらえるでしょう。

もし18歳未満のばあいは、まずは保護者に相談…なのですが、色々な事情でむずかしいこともありますよね。とにかく、だれでもいいので信頼できる大人(お医者さん、先生など)に相談することが大切です。また、児童相談所も力になってくれます。「あなたの住んでいる場所(県名など) 児童相談所」で連絡先が検索できます。児童相談所は、あなたの了解なくいきなり親に通報したりはしないそうです。電話、メールでも相談できます。虐待がある場合は、親に居場所をしらせず保護してもらえます。育てられない場合、里子の相談も。

FP=Family Planning(家族計画)。
「思春期のからだ、心の悩み、性のこと、緊急避妊、避妊全般の相談を家族計画協会が養成した思春期保健相談士が受けています。 問題解決のための参考になる情報、知識を活かしながら相談に応じています。」

性犯罪(レイプなど)の場合に、力になってくれる相談機関や、通報先の一覧です。自分自身のことでなくても、虐待にあってる人を知っているなどの場合も相談にのってくれます。
   

にんしんSOSなど

「思いがけない妊娠に悩むあなたの気持ちに寄りそって、必要な正しい情報を伝えたり、場合によっては、続けてサポートが受けられるように適切な支援サービスをご紹介します。ただし、大阪府以外にお住まいの方にはくわしい情報をお伝えできない場合があります。」

「もし、あなたが望まない妊娠に悩むことがあっても、ひとりで抱え込まないでください。あなたに今、できることを一緒に考えましょう」

思いがけない妊娠、予定外の妊娠でとまどっている方、妊娠したことを誰にも相談できず、たったひとりで悩んでいる方に、妊娠や出産に関する正しい情報を伝えたり、地域の相談窓口を紹介します。ひとりで悩まないで、一緒に解決策を探しましょう。

思いがけない妊娠でお悩みの方を始め、妊娠・出産・子育てなど思春期から更年期までの女性の健康の相談窓口です。お気軽に御相談ください

Q&A, 緊急避妊ピルを処方してくれる施設の一覧も。

  • 望まない妊娠をしないために(仙台市)このホームページでは望まない妊娠をしないためにはどうすればよいか,もしも,望まない妊娠をしてしまったらどうすればよいかなどについて,まとめています。 「誰にも相談できない,どうしてよいのかわからない」方のための相談窓口一覧も。

 

緊急避妊ピル

  • 緊急避妊ピル(ノルレボ)は、セックスしてから72時間以内に飲むことで、妊娠を防ぐことができる薬です。
  • 72時間以内に飲むことによる妊娠阻止率は約8割で、完全に妊娠を防げるわけではありません。(72時間以内でなくても、阻止率は低くなりますが、120時間以内であれば、それなりの効果を期待できるそうです*1。まずは、お医者さんにご相談ください)
  • あくまで緊急用の薬で、普段の避妊法としては使用するべきではありません。

くわしくは

「予期せぬ妊娠」を防ぐために…避妊のはなし


「アンジュ」添付文書より

避妊せずにセックスすると、1年間で85%が妊娠します(20組のカップルがいたら、17組が妊娠します)。コンドームは、失敗せずに使用すれば2%、失敗も含めると15%が妊娠します。経口避妊薬(ピル)では失敗なく使えば0.3%、飲み忘れ等を含めると8%が妊娠します。リズム法(いわゆるオギノ式)では、失敗なく行っても1−9%、失敗も含めるとなんと25%(4組に1組)が妊娠します(これはあくまで大勢の人の平均の値なので、セックスの回数や避妊のしかたによって変わってきます)。絶対確実な避妊法はないのです。特に、日本では絶大な支持を得ているコンドーム、かなり不確かです。女性が自分でできて失敗率の低いピルと、性病の予防になるコンドームを組み合わせる方法がよいのではないでしょうか。「避妊は確実なピルで、性感染症の予防はコンドームで」が、世界標準なのです。ピルといえば副作用を気にする人は多いですが、現在使われている「低用量ピル」は昔「ピルは副作用が強い」という「常識」ができたころに使われていたものよりずっと副作用は少なくなっています。下記のサイトを参考にしてみてください。、
 


参考

コンドームの付け方動画です!詳しい!

普及推進、ではありますが、「私たちはピル普及を願っていますが、人によってはピルを飲むとリスクがある人や、ピルよりよい選択があることを理解しています。決してピルを飲むべき!と押しつけるのではなく、女性がより多くの引き出しを持って自分に適した健康管理を選択できることを最大の主旨としています。」の姿勢で、根拠のある情報発信をされています。「ピル、気になるけどなんとなく怖い」人にお勧め。


一番大切なことは、「妊娠したかも」「生理がない」「避妊に失敗」など、何かあったらまず産婦人科に相談することだと思います。妊娠を継続するとしても、そうでないとしても、まずはお医者さんに診てもらって、自分の置かれている状況を確認しましょう。中絶を選択するばあいにはタイムリミットがあります。妊娠検査薬では赤ちゃんがちゃんと育っているかどうか、わかりません。まずは、産婦人科。そして、とにかく、一人で悩まず、誰かに相談しましょう。支援してくれるところは豊富とはいえないかもしれませんが、あります*2


このページが、困っている人の力に少しでもなれることを祈っています。

*1:根拠については、Dr.北村のブログをご覧ください。

*2:厚労省は、「いちおう」、妊娠に悩みを持つ人を支援しようという考えは持っているようです。。妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について