科学とニセ科学に興味がある人にオススメな海外ドラマ4つ

娯楽っぽい記事もたまにはいいかなーと。うさじまは海外ドラマけっこう好きです。日本のドラマは身近な感じが多いですが、海外ドラマはお金かかってるし、外国の日常生活が見られるのも面白いです。(古いけど)「プリズン・ブレイク」や「Glee」は誰が見ても楽しめる傑作なんですが、ここは本ブログらしく、科学やニセ科学に興味がある人が見たら面白いんじゃないかなーって作品を紹介してみます。


(注意)あくまで娯楽作品ですので、ちょっと科学的に変な/誇張された描写があっても、あまり気にせずに見ています。このへんの「気になる・気にならない」のツボは人によって違うので、合わなかったらゴメンナサイ!あと長寿人気番組は「今さら」でゴメンナサイ!夏休みの暇つぶしにでもどうぞ。

ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」

今シーズン5までやってるけっこう長寿番組ですね。いわゆる「シットコム」です。主役は物理学博士のシェルドンとレナードのコンビ。二人はカリフォルニア工科大学の研究者でルームメイトです。シーズン1はその二人の部屋の隣に「金髪・巨乳・おバカ・リア充」な、女優志望のペニーが引っ越してくるところから始まります。シェルドンは、小学校から大学に飛び級したような超天才なんですが、超傲慢、コミュ障、潔癖症、エゴイスト、全人類に対してウエメセの、超イヤなヤツ。だけど、弱ると甘えてきたりするカワイイ面もあります。レナードは、賢くて、そこそこ人付き合いもいい、優しいけど不器用な理系男子です。シェルドンの理不尽にも耐えている!あと彼らの友達のラージ(素面で女性と話せないインド系。実家は大富豪)や、母親と同居しているマザコンで変態っぽいハワード(一人だけ博士号持ってなくてシェルドンに馬鹿にされまくり。マッシュルームカット)も出てきます。ギークネタ(遊ぶと言ったらゲーム、コミックストア、コスプレ)、非リア充ネタ、「工学系や生物系を見下す物理系*1(しかし実験やらせてみると全然できない)」「ニセ科学のトンデモ理論に失笑」などの理系ネタが、誇張されてとは言え、リアルでおもしろい!シリーズが進むと製薬会社勤務の高給取り、大学で脳の研究しているなどの、理系女子たちも出てきます。これもまたリアル。研究者クラスタと、勉強はできないがリア充コミュ力に富むペニーとの交流も、おもしろいです。ギーク/理系人間のダメな面をネタにしているところもあるけど、「あるあるネタ」のような感じで、愛があります。決して「理解不能な小難しいことをやっているキモい人達」なんて切り捨て方じゃない。多くの人がそうであるように、おおむね誠実、ちょっと不器用、たまに苛つきながらも友達思い、そして惚れっぽい(シェルドン以外)彼らです。副題に「恋愛法則」とあるように、けっこう恋愛ネタも多いです。相手の女の子は、リア充から、学会であった研究者だの、弁護士だの、バラエティに富んでます。ギークネタはアメコミやSFが多くてうさじまにはちょっとわかんないのが多いです(『クリンゴン語』とか、『ヘイロー・ナイト』とか、『グリーン・ランタン』とか…あ、マリオも出てきました)。ぜひ一度シェルドンにイラついてみてほしい!
  
  

ブレイキング・バッド

CSで今やってます。うさじまはまだシーズン1の途中までしか見てないんでどうなるかわかりませんが、シーズン5まであるそうです。シーズン1では、かつて有名研究所に務めていたらしい、今は冴えない高校の化学教師のウォルターが、末期がんを宣告され、家族に金を残そうと、高純度のメタンフェタミン覚せい剤)を合成する…ところから始まり、売人を殺したりいろいろ悪いことをしてしまいます。高校から持ちだした器具と試薬で覚せい剤を合成、ドラフトがないのでガスマスクをしてやるとか、殺そうとしてきた相手をとっさに神経毒ガス発生させて殺すとか、死体をフッ酸で(中略)のに、合成樹脂じゃなく陶器の容器を使ってしまい、容器ごと溶け(以下略)とか、けっこうエグいです。ちょっと無理がある!?ってところもあります。けど、スピーディーに展開するストーリーがおもしろいです。

 
 

「メンタリスト」

今シーズン5まで。これも長寿番組。CBI(カリフォルニア州捜査局)のコンサルタント、パトリック・ジェーンを主人公とした、基本一話完結の犯罪捜査モノ。なんですが、ジェーンはかつてコールドリーディングを駆使した霊感商売をやったり、手品師をやっていた人。で、レッド・ジョンというシリアルキラーにTV番組を通じて「挑戦」し、返り討ちにあって妻子を殺されてしまっている。そのトラウマと戦いながら、経験を生かして事件関係者の心理を読んだり操ったり時には催眠術も使ったりして事件を解決していきます。ニセ科学を利用して人を騙している人達が精通しているのは、科学というより人間の心理ですから、うさじまは人間心理を利用した詐欺なんかには大いに興味を持っています。本作には、騙す・騙される人間の心理や、人間の思い込みを利用したトリック(犯人によるものもあるが、主にジェーンによるもの)の描写が多く、面白いです。毎回出てくる事件の犯人や、レッド・ジョンとの騙し合い・出し抜きあいがスリリング。日本のドラマの「トリック」に通じるものがあるかも。カルト教団なんかも「敵」として出てきます。人の心理をたくみに操るジェーン本人も、レッド・ジョンによって妻子を殺されたトラウマや復讐心に支配され、人生をコントロールできていません。人間の弱さや悲しみ、そこにつけこむものの姿を描いたドラマとも言えますね。もう一つの特徴は、扱う犯罪がセレブがらみのものがやけに多いということ。大富豪が殺されて犯人はその愛人、みたいなの。豪邸やパーティーのシーンが出てきてゴージャスです。ちなみにジェーンも人を苛つかせる天才で、トラブル起こしまくります。常套手段は、事件関係者をわざと怒らせて反応を見たり、持ち物をすって相手をはめたり…あかんやん!でも、シェルドンよりはイラつきません。
  

 

マインド・ゲーム

これだけ動画が見つかりませんでした。双極性障害の心理学者の弟(クラーク)と元詐欺師の兄(ロス)とその同僚や元詐欺仲間らが、心理学を利用してクライアントの問題解決をする話。これも今CSで放映中です。まだDVDにはなってないみたい。これも「心理」をテーマとした作品です。そんなに都合よく操れるかな?ってとこもありますが、ドラマとしての誇張ならこれくらいはアリかな(心理学専門の方はお怒りになるかも)?。心理学の理論で「こういう場面で人はこう行動しがち」だから、そのシチュエーションを人工的に作ってやる、って感じでターゲットの行動を操ります。仲間で演技して作戦遂行するシーンはスリルがあります。双極性障害のクラークは一つのことを考えだすとそれしか考えられなくなって作戦をだいなしにしたり(ターゲットに「今こう動いてくれなきゃ困る!!と詰め寄ってしまったり…)、興奮して止められなくなったり、女子学生と恋愛関係になって大学をクビになったり(意外と双方本気の恋愛)、トラブルを起こしまくります。しかし、彼は心理学を悪用して人を操るようなことはしません。クライアントもターゲットも、自己の良心に基づいて行動できるように、誘導する。もちろん、倫理的に際どい感じの行動もあります。逆に、誘導よりも、彼のだだもれの「お願い」で人の心が動くことも。欲を言えば、用いてる心理学の理論の元ネタをもうちょっと詳しく教えてほしいかな?こちらでも、カルトにはまりかけている大学生を救う話があります。



好きな海外ドラマは、他にも、デンマークの連続殺人犯を追う女性刑事モノ「キリング」や、デンマークスウェーデンの共作でとっても変わり者の女性刑事とパイプカット手術受けたばかりのおっさん刑事のコンビが活躍する「ブリッジ」、グリム童話のグリムさんの末裔vsモンスター(普段は人の姿で生活している)の「グリム」、キリスト教系オカルトネタ満載(満載過ぎて荒俣宏先生の解説コーナーがないと意味不明)「スリーピー・ホロウ」など色々ありますが、テーマとずれてるので、今日はこのへんで。

*1:シェルドンは全人類を見下してますがね…