「ダメな科学」を見分けるための大まかな指針」のポスター

2014.6.26改定

ファイル名が「.JAPなのはヤバイ」というご指摘を受け、「.JP」に直しました。
元サイトの方がつけたファイル名ですが、色々な言語バージョンを作られているので、他意はないと思います。

2014.6.25改定

id:blueboyさんのアドバイスによりgoogle dropboxからもダウンロードできるようにしました(とりあえず)。
リンク間違ってるの直しました。



英国の教員などによる、化学に関するステキな「図」を作っているサイトCompound Interestの「A Rough Guide to Spotting Bad Science」のポスター日本語訳バージョンが完成しました!

「このポスター自体が難しすぎ」「これがわかる奴は騙されない」というご意見への返答は過去記事2に書いてありますのでよろしく!




元記事にある注意書き(大切!)

これは(『bad science』を)包括的に概観するものではありません。また、このリストのうちの一つに該当するからと言って、自動的にその研究は無視すべきものと言えるわけでもありません。このリストの目的は、単に、科学記事を読んだり、研究を評価する際に注意を払うべき点についての大まかな指針を提供することです。

Note that this is not a comprehensive overview, nor is it implied that the presence of one of the points noted automatically means that the research should be disregarded. This is merely intended to provide a rough guide to things to be alert to when either reading science articles or evaluating research.

自分で論文の原文を読んでみる、というのは、ある程度の訓練が必要です。自然科学系論文はたいてい英語で書かれていますしね。このポスターの6以降は、自分で論文を読む人向けかな、とも思いますが、「研究にも質の良し悪しがある」「どういう研究が『質が高い』」のか、知る手がかりにはなると思います。また、「自分の頭で考えたい」という方が、医学関係の情報を自分で解釈したい、という場合には、ここに書かれているようなことはよく理解しておく必要があるのではないかと思います。(逆に、このポスターに意味がわからない部分があるような場合には、素直に専門家の意見に従う方が吉、ではないでしょうか)。

クリエイティブ・コモンズに関する利用のガイドライン

このポスターはクリエイティブ・コモンズライセンス(Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.)で公開されています。…ってなんのこっちゃ?だったので調べてみました

著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができ」る制度だそうです。


元サイトの利用のガイドラインより抜粋。

  • 以下の条件の元、web上で自由に再配布できます。
    • クレジット等を含め、改変しないこと。
    • 許可なく商用利用しないこと。
    • 再配布の際は、著作者を明確にすること。
  • 教育を目的として、自由にプリントアウトして掲示することができます。
  • 図の著作権はクリエイターAndy Brunning氏にあります(日本語訳のクレジットは「うさうさメモ」として頂きました)。

この訳文が気に入らない方は、また別に日本語訳バージョンを作っていただくといいと思いますが、その場合は著作権者の許可が必要です。元サイトの方に連絡してくださいませ。


というわけで、せっかく作ったので、広めてくださいね♡♡
解説記事等はまた後ほど書いていきたいと思います…


2014.6.26さらに追記

本エントリに関連して、素晴らしい記事を書いていただきました!!真逆の方向性の二つ。非常に意義深いと思います。

id:ublftboさんによる、専門用語を知らなくても読める「読み解き」です。このポスターが「難しい」と思われた方はぜひ。

id:zundamoon07さんによる、このポスターに書かれている「Bad Science」のような、「悪意の情報」を見破るための方法について論じた本のご紹介と解説です。このポスターから、「もっと知りたい」と思われたかたはぜひ。


今回、うさじまが批判があるであろうことは承知の上で(実際、試訳バージョンの段階でもさんざん言われました)、元ポスターの専門用語をそのまま専門用語として訳した理由について、過去記事にも書いていますが、改めて書いておきます。こちらにも書いたように、「翻訳版」としての位置づけや、今後いろいろ展開させる、というのもあります。それに加えて、「専門用語が表す概念を正しく理解するには、その用語の定義をちゃんと理解することが不可欠である」との思い、そして、「専門用語を用いて検索することで、ネット上の正しい情報にアクセスできる可能性がぐっと上がる」という自分の経験上の知恵があります。もともと、このポスターは、教員や大学院生のグループが作ったものですので、「お前らもっと勉強しろよ」的な立場であるのです。ですから、今回は、「ちゃんとした言葉で書かれた原典」にしたかったのです。

再度書きますが、このポスターはけして初心者向けではありません。しかし、こういった素材について、「初心者向け」しか存在価値がないか、というと、そうでもないんじゃないか?と思ってます。すべての人に有用なもの、はなかなか難しいです。色々あったほうがいい、くらいに気楽に考えていただけると嬉しいです。そして、このポスターを解説できる方は、ぜひ、誰かに解説することを試みてほしいです。そういうところから、「反・ダメ科学コミュニケーション」が始まったら、すごく価値のあることだと思います。そういう意味で、尊敬するお二方*1に、上の二つの記事を書いていただいたことは、まさに本望です。とても嬉しく思います。



Acknowledgments

I thank Compound Interest @compoundchem for permission to make translated version of the poster. I also deeply appreciate his/her generous support.
また、翻訳に際して多くの助言、訳例を提供していただいた皆様にも深く感謝します。

*1:id:ublftboさんはこのブログに初めてブコメツッコミ(しかも、「sample sizeの訳!」)を入れてくれた方として記憶に刻んでおります。